[DVD] ウォッチャー 不正捜査官たちの真実
[DVD] オリンピックの身代金 ~1964年・夏~
【制作国】:日本
【監督】:-
【出演/声の出演】:竹野内 豊, 松山 ケンイチ, 黒木 メイサ
【音声/字幕】:日本語音声
【ディスク枚数】:1枚組
【商品類別】:中国正規品
【リージョンコード】: リージョンオール(すべての国で再生可能)
日本公開日: 2014/01/10
【ストーリー】
第1夜
昭和39年夏――東京オリンピック開催を間近に控えた東京で、2件の爆発事件が立て続けに発生した。事件が起こったのは東京オリンピック警備の最高責任者である幕僚長・須賀修一郎の私邸、そして中野にある警察学校。だが、これらの事件は発生するやいなや、なぜか箝口令が敷かれる。警視庁捜査一課の刑事・落合昌夫がその事実を知ったのも2件目の火事の翌日、偶然噂を耳にした同僚刑事・岩村傑の口からだった。記者のみならず、なぜ捜査一課にさえも情報を伏せるのか…。訝しがる落合だが、その脳裏をある名前がかすめる。草加次郎――それは、落合と岩村が一昨年前から追い続けている人物の名だった。
“草加次郎”は昭和37年から昭和39年にかけて、東京じゅうを震撼させた爆弾魔の名前だ。有名女性歌手に爆弾入りの小包を届けたのを皮切りに、映画館や地下鉄が次々と標的とした爆発事件を起こし、多くの負傷者を出した草加。しかし手掛かりはまったく得られず、事件は迷宮入り間近となっていた。もしや、今回も草加絡みの事件か…? 落合は直感的にそう感じた。
中野警察学校の火事の翌々日にあたる8月24日、事態は急展開を迎えた。落合が所属する捜査一課五係の面々がマスコミの目を避けるため、極秘で半蔵門会館に集められたのだ。そこで、捜査一課長・玉利と捜査一課長代理・田中から発表されたのは、雑誌の切り抜き文字を貼り合わせて作られた、警視総監宛ての脅迫状の存在だった。
「小生 東京オリンピックの開催を妨害します 近日中にそれが可能な事を証明します 全ての日本国民に対して誠実なる対応を求めます 草加次郎」
その脅迫状が届いた翌々日の8月15日、須賀幕僚長の私邸は時限発火装置によりダイナマイトで爆破された。そして、続く中野警察学校の爆破事件の前にも、草加次郎から二通目の脅迫状が届いていたのである。我が国にとって最も重要な東京オリンピック開催に、いささかたりとも不安を抱かせるようなことがあってはならない――玉利の命を受け、落合らは公安の指揮のもと、極秘捜査へと乗り出すこととなった。
五輪関連施設に厳戒警備が敷かれる中、落合たちは情報収集に奔走。爆破直前に須賀幕僚長の私邸付近で、赤いスポーツカーに乗った男女を見たという目撃証言を得た落合は、車の持ち主が須賀幕僚長の次男・忠であることを突き止める。忠は官僚一家の須賀家において、ただひとり東大卒業後、テレビ局に就職した異端児。須賀幕僚長とも絶縁状態にあった。落合と岩村はさっそく忠を尾行。霞ヶ関の官庁街で、忠が学生運動のリーダー・藪田潔と話し込む姿を目撃する。そのときだ! 外務省の一室から爆炎が立ちあがった。爆破されたのはオリンピック対策室。現場には、須賀邸を爆破したものと同じ、目覚まし時計式時限爆弾が仕掛けられていた…。
二度の爆破事件に忠が居合わせたことに不自然さを覚える落合。そんな中、捜査の矛先を大きく覆す事実が判明する! 須賀邸を皮切りに実行された3件の爆破事件に際し、送られてきた脅迫状の宛名書きの筆跡が、落合たちがこれまで追ってきた“草加次郎”のものとは別物だったのだ。今度の犯人はまったくの別人であるとの線で、落合らは改めて捜査を開始した。すると、忠が勤める『中央TV』の図書館に置いてある雑誌『無線と科学』のバックナンバーが、昭和63年の7月号だけ抜けていること、さらに大田区にある『北野火薬』が工事用ダイナマイト25本を紛失していたことが判明する。そこで、落合は『北野火薬』によく出入りしている人夫斡旋会社『山晋興業』へ。社長の山田晋一から、同社で働く秋田出身の東大生・島崎国男の存在を聞かされる。東大の大学院で経済学を専攻している島崎は、かつて忠と同じゼミに在籍していた。『北野火薬』に出入りできる立場であり、忠とも接点があるとなると、マークしておいた方がよさそうだ。落合と岩村は島崎について調べることにした。何よりも落合は、対面した島崎が「身内の恥みたいなことがちょっと関係している」と言い、東大生でありながら人夫斡旋会社で働く理由を語りたがらなかったことが気になっていた。
一向に犯人の目星がつかないまま、9月を迎えた落合は妻・晴美が開いていた新聞に目を留める。それは一通目の脅迫状が届く直前に発行されたもので、須賀幕僚長がオリンピックを無事に成功させれば警視総監になるという記事が掲載されていた。この記事と爆破事件の関連性を疑った落合は、父親に強い反発心を抱く忠が犯人なのでは…との疑念を強める。その矢先、またしても爆破事件が起こった! 現場はオリンピック選手村近くのビル。そこには、須賀幕僚長の妻の実家である『日央建設』も入っていた。忠の関与への疑いを強めた落合は、玉利から横槍が入ったにもかかわらず、内緒で忠の周辺を探ることに。忠の恋人・月丘ミドリから、忠が東大に通う落合の妹・有美にフラれたこと、有美の意中の相手が島崎だという話を聞く。忠に直接、真偽を確かめる落合。だが、返答をはぐらかされた上に、密かに張り付いていた公安部刑事から忠との接触を咎められてしまう。
やがて、様々な新事実が判明する。忠は2年前の冬、藪谷と有美に向かって爆破事件を誘導するような会話をしていた。さらに、『中央TV』の図書館から消えた『無線と科学』のバックナンバーには、市販の時計を利用したタイマー装置の作り方が掲載されていたのだ。しかも、島崎もその号を古書店で購入していた上に、中野警察学校の爆破当日に現場付近にいたというではないか! 落合は島崎に会うため、下宿先へと向かった。だが、そこに島崎の姿はなかった。なんでも特定の土曜日を除いては、飯場に行ったきり帰ってこないのだという。落合が大家に確かめると、島崎が帰ってきた土曜日は須賀邸と中野警察学校、外務省が爆破された日だった! 落合はすぐさま忠のもとを訪れた。すると、須賀邸が爆破された直前、忠が自宅付近で島崎と出くわしていたことが判る。
そんなとき、新たな爆破事件が発生する。モノレールの橋脚が爆破されたのだ! しかも、実は『日央建設』のビル爆破と、モノレールの橋脚爆破については予告状が届いていたのだが、公安が握りつぶしていたという。公安の不穏な動きを感じながらも、落合は島崎と接触することにした。爆破された橋脚付近の運河で、ハンチングをかぶった男性と一緒に海の方へと出て行く島崎の姿が目撃されていたからだ。だが、島崎はすでに『山晋興業』を辞めていた。落合は山田社長に、そもそも島崎が同社を訪れたキッカケを尋ねた。島崎は『山晋興業』で出稼ぎ労働をしていた兄が亡くなった直後の7月13日、実家の代理としてやって来たらしい。そのとき山田社長は島崎に、首都高速の橋脚や国立競技場などの工事に派遣されていた兄が、亡くなる前によく16時間労働をしていたことを伝えたそうだ。その後、島崎は兄の死に不審な点がないことを認める誓約書への捺印を求められると、一存では決めかねると言い、秋田の実家へ持ち帰ったという。落合は話を聞きながらふと、当時は色白でひよわな風貌だったという島崎が、ひと夏の間に逞しい肉体労働者に変貌した理由が気になった。自分が抱いた疑問の答えは、そのときの秋田行きにあるのではないか――そう感じた落合は夜行列車に飛び乗り、秋田へ向かった。
聞き込みを開始した落合は、島崎が秋田へ戻る途中の夜行列車でスリに遭っていたことを知る。しかも、スリを働いた男・村田留吉の特徴は、モノレールの橋脚付近で島崎が一緒にいた男と酷似していた! 落合はその足で島崎の実家へと向かった。家族の話によると、島崎は兄の葬儀を済ませた後、捺印した誓約書を持って東京へ戻ったという。その後、彼は「兄の弔い」だと言って『山晋興業』で働き出し、慣れない飯場で日々汗水を垂らした。どうやら帰郷した際に、兄が実家への仕送り金も倹約しながら、島崎の学費を出してくれていたことを知ったらしい。しかも、島崎は自分だけが恵まれて東大に入ったことを「恥ずかしい」と、家族に漏らしていたそうだ。島崎の心情を思うと、落合の胸は痛んだ。
まもなく落合は、島崎がかつて『日央建設』の社員に頼まれ、工事に邪魔な岩盤を壊すためのダイナマイトを『北野火薬』まで取りに行ったことを知る。落合と岩村は『北野火薬』の火薬庫を改めることにした。ところが、落合はそこで思わぬものを発見してしまう。火薬庫付近の防空壕跡で見つかった“それ”は、島崎がかつて飯場で揉めたヤクザ者の人夫・樋口の撲殺死体だった! この一件を機に、捜査は大きく動き出す。
島崎は『北野火薬』からダイナマイトが盗まれる直前、同社を訪れていた。また、島崎は飯場の仲間にそそのかされてヒロポンを打った際、兄が重労働に耐え抜くためにヒロポンに依存しており、そのせいで死んだことを知らされていた…。次から次へと、判明していく島崎関連の新事実。そんな中、島崎が薬の売人に連絡を取ったとの情報が捜査一課に入る。落合らが現場に急行すると、そこには島崎と有美、村田がいた。有美が去った後、逃げる島崎を追う落合。だが、あと一歩のところで取り逃してしまう。
その後の聞き込み捜査で、島崎が8月3日、上野の寿司店で村田に対して「僕には国に一泡吹かせてやりたいくらいの気持ちがある。国から一億いただきましょう」と話していたことが判った。島崎は本気だ――落合はそう確信した。その矢先、“草加次郎”から新たな脅迫状が届く! そこには、身代金8千万円を包装紙と風呂敷に包み、東京駅10番ホームの3号車停車位置のベンチに置くよう指示されていた。取引の日時は9月20日午後2時半――落合らはごった返す駅構内で、その瞬間を迎えた。やがて、身代金が入ったものと同じ風呂敷包を手にした籔谷と有美が現れたかと思うと、次の瞬間にはベンチに置いた身代金が消えていた! そのとき、落合の目は群衆に紛れる村田の姿を捉えた。身代金が入った風呂敷包を手に、逃走を急ぐ村田。だが、以前からスリ常習犯である自分をマークしていた刑事と揉み合いになり、村田は風呂敷包を手放してしまう。そこへ、島崎が姿を見せた。「まだチャンスはあります」――そう告げる島崎とともに、村田は身代金をその場に残し、落合らの追っ手から逃れて行った。
その5日後――。台東区東御徒町で爆発が起こった。それはまったく思いもよらぬ場所で起こった、予想外の出来事だった…!
第2夜
台東区東御徒町で爆発が起こった。
爆発現場は暴力団『大羽会』の事務所だった。しかも事件発生時、現場から逃げた人間の中に島崎と村田がいたというのだ! 『大羽会』は日雇い人夫の手配などをシノギとする暴力団で、先日『北野火薬』にて遺体で発見された樋口もこの団体の準構成員だった。落合らは『大羽会』と島崎の接点を掴むため、樋口が最後に目撃された際に一緒にいた『大羽会』の構成員・寺田を問い詰める。すると、衝撃の事実が浮かび上がる・・・!
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