「敵に塩を送る」とは、戦国時代の武将・上杉謙信が、塩不足に苦しんでいる敵将・武田信玄の元へ塩を送らせたという故事から、「敵の弱みにつけ込まず、逆にその苦境から救う」という意味に使われるようになった言葉だ。だが、実は謙信は塩を送ったのではなく、奪われていた。なぜ、その真実は隠され美談となったのか？そこには、一握りの権力者のみが知る情報操作の匠「カサネ一族」の暗躍があった。2015年。一族の末裔（まつえい）である双子の兄妹・幸一太郎（遠藤雄弥）、花弥生（高城亜樹）は、東京近郊で密かに活動していた。2人は、次々と持ち込まれる依頼者のトラブルを人並み外れた知識量と機転で美しい話にすり替えていく。

第1話

マネージャー・久松孝明（福士誠治）と、女優・酒武井くり子（木乃江祐希）。二人は恋人同士。もちろん事務所にバレたら久松は速攻クビ。酒武井の女優としてのイメージにもかなりのダメージを与えることになるだろう。慎重に関係を築いてきた二人だが、ある日、二人がラブホテルから出てきたところを何者かに写真を撮られ、久松の元に匿名で送られてくる。絶体絶命の久松は酒武井と共に“カサネ”の元を訪れる。

第2話

漫画家・九重學はアイディアに煮詰まり、連載中の人気漫画「コモルとメグルのメケメケする探偵事件帳」の主人公・コモルを、つい筆が滑り、殺してしまう。迫る〆切。大見得を切った以上、編集者に頼るのは死んでも嫌だ。困り果てた九重は“カサネ”の元を訪れる。

第3話

女流棋士・扇塚桂は、常々、自分の師匠である時津宗近の「最後の対局」に疑念を抱いていた。というのも、時津は、その対局で「二歩」という禁じ手を使い反則負けを喫したのだった。その対局の直後に亡くなった時津。故人の不名誉を晴らしたい。たとえそれが、真実に嘘を重ねる“禁じ手”だったとしても。そんな想いを胸に“カサネ”を訪ねる扇塚だったが、そこで、彼女の過去にまつわる驚愕の真実を知ることになる！

第4話

ある日、有名フレンチレストランのシェフ・堂崎山元始が“カサネ”の元を訪れる。

依頼内容は、「今の自分の評判を落としてもらい、すべてをイチからやり直すこと」

堂崎山の本当の狙いとは！？

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