[DVD] さっちゃん、僕は。
[DVD] 福田村事件
·ジャケット印刷無し
【製作国】: 日本
【監督】: 森達也
【出演/声の出演】: 井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、コムアイ、松浦祐也、向里祐香、杉田雷麟、カトウシンスケ、木竜麻生
【言語 】: 日本語言語
【字幕 】:
【ディスク枚数】: 1枚組
日本公開日: 2024/04/03
【内容紹介】
関東大震災から100年 いま見たことを、伝えたい
100年の時を超え、遂に、実話に基づいたかつてない日本映画が公開された。
日本映画史に残る大ヒット問題作がついにソフト化!
1923年9月1日11時58分、関東大地震が発生した。
そのわずか5日後の9月6日のこと。
千葉県東葛飾郡福田村に住む自警団を含む100人以上の村人たちにより、利根川沿いで香川から訪れた薬売りの
行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺された。行商団は、讃岐弁で話していたことで朝鮮人と疑われ殺害されたのだ。
逮捕されたのは自警団員8人。
逮捕者は実刑になったものの、大正天皇の死去に関連する恩赦ですぐに釈放された…。これが100年の間、歴史の闇に葬られていた『福田村事件』だ。行き交う情報に惑わされ生存への不安や恐怖に煽られたとき、集団心理は加速し、群衆は暴走する。
これは単なる過去の事件では終われない、今を生きる私たちの物語。
★第 28 回釜山国際映画祭 コンペティション部門ニューカレンツアワード最優秀作品賞 受賞
◎ドキュメンタリー作品の鬼才と言われた森達也による初の劇映画。初めてとは思わせない正統派なドラマ作り、実力派・異色俳優陣による演技に心が熱くなる。
◎森達也は十数年以上前からこの「福田村事件」の映像化を構想していたが、「朝鮮人虐殺」と「部落差別」というタブー視されてきた大きな問題を孕んでいたため、企画すら通らないまま映像化は不可能と絶望視された…。ところが、あるイベントで森は脚本家荒井晴彦と会う。荒井も「福田村事件」の映画化を構想していたのだ。この二人に加え、ベテラン脚本家佐伯俊道、映画監督井上淳一ら志を同じくする映画人が集まり企画が急発進する。企画発表と同時に多くの注目を集め、名だたる俳優陣が出演を希望し、製作費を募るクラウドファンディングでは瞬く間に3500万円以上の金額を集めることとなった。この映画は完成前にすでに沸騰していた!その熱は一切冷めることはなく、関東大震災から100年目となる2023年9月1日に公開されるやたちまち大きな話題を呼び、ミニシアター規模の興行ながら上映から2か月強で上映館は200館超、興行収入2億5千万円を超える記録的ヒットとなった。
【『福田村事件』ソフト化によせて】
人は集団になったとき、なぜ一人ならばとてもできないようなことをしてしまうのか。初めて映画を撮った27年前から、
いやもしかしたらもっとずっと前から、この命題は自分の中にあったような気がする。
その最悪の典型は戦争と虐殺。ホロコーストにしてもクメールルージュにしても文革にしても、キーワードは常に集団だ。
もちろん関東大震災時の朝鮮人虐殺についても。
一人でオウム施設の中で撮影を続けながら、自分はどこに帰属しているのかと考え続けていた。会社からは解雇されテレビ
メディアからパージされ、カメラを手にオウムと社会のあいだを行き来しながら、なぜ自分はいつも一人なのかと考えた。
『A』に続いて『A2』、『311』、『Fake』、『ⅰ-新聞記者ドキュメント-』、これまで僕の作品はすべて、組織と個の相克がテーマになっている。明確に意識していたわけではない。結果としてそうなっている。
だからこそこの命題について、自覚的に撮った『福田村事件』は僕にとって重要だ。初めてのチームワークで悔いることは少なくないけれど、とりあえずは一人でも多くの人に観てほしいとの思いは今も変わらない。
――森達也
『福田村事件』への出演はボクの生涯でも大事件でした。
敬愛する森達也監督の第一回劇映画に出演を請われたものですから即決で引き受けましたが、撮影直前の2022年の7月10日の投開票の参議院選挙に出馬して初当選、撮影時には新人国会議員でした。
撮影期間と国会の委員会招集が重なりスタッフ&キャストの合宿撮影のなか、ボクはひとりだけ何時でも国会対応できるように毎回、京都へ通っていました。
夏の京都盆地の熱さは聞きしに勝るもので、大正時代の詰め襟の軍服姿は高熱のサウナの中にダウンジャケットで入浴している状態でした。
そしてボクの演じた在郷軍人会長役は怪演と褒めていただいていますが、決して入魂の演技ではなく、国会と映画の重圧のなか、一度魂を抜かれた状態を経ての憑依であり、役が抜けないまま軍国主義に洗脳される役と現実のシンクロニシティを感じました。
その後、議員は鬱病でスピード辞職をしてしまいましたが、議員時代にボクが遺した唯一の仕事がこの作品です。
映画が百年の時を越え、政治的にも現代に影響力を持ち、邦画史的にも新時代を画する傑作になったこと、そして病に侵されていきながら自分の姿をスクリーンに焼き付けたことを誇らしく感じています。
はからずも、この映画の宣伝隊長になった小池百合子都知事、松野官房長官が、何時か、この映画を見る日までボクは上映運動をやめないつもりです。
――水道橋博士
【ストーリー】
大正デモクラシーの喧騒の裏で、マスコミは、政府の失政を隠すようにこぞって「いずれは社会主義者か鮮人か、はたまた不逞の輩の仕業か」と世論を煽り、市民の不安と恐怖は徐々に高まっていた。そんな中、朝鮮で日本軍による虐殺事件を目撃した澤田智一(井浦新)は、妻の静子(田中麗奈)を連れ、智一が教師をしていた日本統治下の京城を離れ、故郷の福田村に帰ってきた。同じ頃、沼部新助(永山瑛太)率いる薬売りの行商団は、関東地方へ向かうため四国の讃岐を出発する。長閑な日々を打ち破るかのように、9月1日、空前絶後の揺れが関東地方を襲った。木々は倒れ、家は倒壊し、そして大火災が発生して無辜なる多くの人々が命を失った。そんな中でいつしか流言飛語が飛び交い、瞬く間にそれは関東近縁の町や村に伝わっていった。2日には東京府下に戒厳令が施行され、3日には神奈川に、4日には福田村がある千葉にも拡大され、多くの人々は大混乱に陥った。福田村にも避難民から「朝鮮人が集団で襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をした」との情報がもたらされ、疑心暗鬼に落ち入り、人々は恐怖に浮足立つ。地元の新聞社は、情報の真偽を確かめるために躍起となるが、その実体は杳としてつかめないでいた。震災後の混乱に乗じて、亀戸署では、社会主義者への弾圧が、秘かに行われていた。そして9月6日、偶然と不安、恐怖が折り重なり、後に歴史に葬られることとなる大事件が起きる――。
【スタッフ】
監督:森達也
脚本:佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦
企画:荒井晴彦
企画協力:辻野弥生、中川五郎、若林正浩
統括プロデュ―サー:小林三四郎
プロデュ―サー:井上淳一、片嶋一貴
音楽:鈴木慶一
撮影:桑原正
製作:「福田村事件」プロジェクト
(株式会社テンカラット、株式会社カタログハウス、
辻野弥生、株式会社ピカンテサーカス、MBS、
株式会社ドッグシュガー、太秦株式会社)
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